ひろげていこう 発達障害のWA!~「困ってる子」という視点からの支援~

アスペルガー症候群やADHD、学習障害、自閉症などの発達障害の子は、困らせる子じゃない「困ってる子」。その視点から困ってることを解決する支援のヒントや工夫を考え、もっと発達障害の子たちから見えてる世界によりそっていきましょう!

「自閉症だから」を前面にださなくていい社会を目指して~アスペルガーの息子の思い~

とある自閉症啓発グループのリーダーにリポーターがインタビューをしているニュースを見て息子がポツリと言いました。

 

「このリポーターはさっきから自閉症に打ち克つという表現ばかりを使っているけど、この考え方には違和感がある。失礼だよね。」と。

 

うんそうだね。ママもそう思う。どうして違和感があると思ったのかきかせてくれるかな、と言葉をかけると、息子は続けてくれました。

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自閉症の人のパニックの原因の一つ、刺激過多について。

初めての場所や、初めて何かをする時って、体が緊張状態になりますよね。

そういう時っていうのは、周囲のちょっとした感覚刺激にも過敏に反応しやすい状態に体がなっているんですよね。 

見通しを持つのが難しかったり、感覚情報の取捨選択が苦手な自閉症の人は、体がそういった過敏に反応しやすい状態にあることが多く、周りの人以上に刺激に対し反応してしまうことで刺激過多になり、パニックを起こす原因になることもあります。

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自閉症の人はとっても疲れやすいんですよ。さぼり・ズルなんかじゃないんです。

スマホを100%充電しても、充電の減り方は様々ですよね。

スマホ自体の使用頻度が高かったり、アプリを沢山入れていると充電の減りは早くなるように。

実は、自閉症の人の疲れやすさ・慢性疲労は、そんな感じなんです。

  • 偏食による栄養の偏りや睡眠障害による、そもそもの充電不足
  • コミュニケーションをとったり、姿勢を維持する事にリソース(それに必要なアプリ)を使いすぎる為に起こる消費量の過多

自閉症を含む発達障害の人は、一見障害のない人と同じように見えますが、「脳の機能障害」ゆえに体の中では障害のない人と違うシステムが作動しています。

今日は、なぜ自閉症の人は疲れやすいのか?対策はあるのか?についてちょっと書いてみたいと思います。

(このエントリでは、アスペルガーを含めた「自閉症」を主語に使っていますが、ADHDやLD等の発達障害の人にも当てはまるケースはあります。)

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発達障害、Awareness(啓発)からAcceptance(受容・承認)へ

今から15~20年前、「発達障害」という言葉を知っている人はごく少数の関係者に限られていたと思います。その頃に「何か育てにくい…」「私の子育てが間違ってる…?」と悩んでいた親御さんの多くは、お子さんが発達障害だと診断されて初めて発達障害と言う言葉を知ったんじゃないかなって思います。 

そして2006年平成16年12月10日、発達障害者支援法の施行によってようやく「発達障害」が世間一般にも認め始められたように思います。 

また、神戸のNPO法人あっとオ―ティズムのお母さんたちによって日本にもたらされた毎年4月2日の世界自閉症啓発デーに行われるLIUB(ライトイットアップブルー)や発達障害のあるお子さんの親御さんや支援者の日々の発達障害の啓発活動を通じて、今や「発達障害」という言葉を知らない人は少なくなったのではないかと思います。 

そういった変化の中で、「もしかしたらうちの子発達障害かも…」「私、発達障害?」と、『困っている事の原因が発達障害にあるかもしれない』と気づき、それが診断のきっかけになってきているのは昔と大きく異なる点ではないかと思います。

 

こういった感じで、「発達障害」の啓発(Awareness)は、一定の成果をあげてきたんじゃないかなって思うんですよね。で、これから何が大切かというと「Acceptance:発達障害の人がみんなと同じ社会で自分らしく生きていける為に必要な社会の理解」ではないかと思うんです。

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発達障害の子供たちとの関わりに役立つSOAPノートの考え方!

「甘えてるだけだな」「さぼってる」「努力がたりない」

発達障害の子供たちは、こういう言葉をあびせられ、その子が本当に困ってることに気づいてもらえず、「ダメな子」と判断されることが多い…というのはもう私は何度も何度も言い続けています。

これってね、いつも言うように「発達障害が見た目に困った事がわかりにくい障害」だからというのはもちろんあるんですが、注意してる人の「主観」だけで判断される場合に起こってる事なんですよね。

「私なら、何度か漢字を書きとれば覚えられる。でもこの子はできない。それはさぼっているからだ」ってね。

だからね、「発達障害の子の視点」に立たないと「困った事」は解決できないわけなんですよね。だってね、発達障害のない人の「ものさし」で考えても、発達障害の困ってる事はわかりっこないから。その「違い」があることが、発達障害なわけなんですからね。 

そこで役立つのがSOAPノートの考え方なんです。
聞いた事がない人も多いかと思うんで、今日はちょっとSOAPとは何か、それが発達障害のお子さんと関わる時にどんな風に役立つのかについて触れてみたいと思います。

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